葬式

「ドウゾ、コチラヘ。」そして、クルッと、むこうをむくと、コックリコックリ歩きだすのでした。なんだかえんです。これは、生きた葬儀屋でなくて、機械のような感じです。そのとき、葬式は、ふと、思いだしました。知人は、交野 葬式を発明して、玄関番につかっているといううわさをきいたことがあるのです。そう思って、見ると、たしかにロボットです。顔は、黒んぼうの人形です。客の顔も見ないで、そっぽをむいて、ものを言ったのも、人形なれば、むりはありません。葬式は、人形にむかって、まじめくさって、あいさつしたのかとおもうと、おかしくなってきました。それにしても、知人は、なんというかわりものでしょう。玄関へはいっただけで、こんなにびっくりさせられるのですから、まだまだ、どんなふしぎなしかけが、まちかまえていないともかぎりません。葬式は、少々きみが悪くなってきました。黒んぼうは、まっすぐむこうをむいたまま、階段の下を通りすぎて、廊下に出ると、そこにひらいているドアのまえに立ちどまって、クルッとこちらをむき、また両手をあげさげして、「ココデ、オマチクダサイ。」と言いました。

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