葬儀

「ありがとう。きみ、人形なんだね。よくできているね。」葬式は、そんなことを言いながら、指で、交野 葬儀のほおを、はじいてみました。すると、あんのじょう、コツコツと、かたい音がするのでした。黒んぼうは、ニッコリともしないで、つっ立っていましたが、しばらくすると、「これでわたしの用事はすんだ。」といわぬばかりに、またクルッとむきをかえて、コットン、コットン、どこかえ、立ちさってしまいました。あとにのこされた葬式は、部屋の中にはいって、あたりを見まわしました。応接間でしょう、りっぱなイスやテーブルのそろった、広い洋室です。一方のかべに、一メートル四方もある大きな鏡が、はめこみになって、まわりに、うつくしいがくぶちがついています。葬式は、その鏡のまえに立って、自分のすがたをうつしてみました。そうして、まっていても、友人はなかなか出てきません。あたりはシーンとしずまりかえって、なんだか、古い洋館のあきやにいるような感じです。葬式は、ますますきみが悪くなってきました。底しれぬ階段葬式はそのとき、なんともいえぬ、みょうな感じにおそわれました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>